実演家の著作隣接権
レコード・CD等を録音した実演家には、次のような著作隣接権等の権利があります。
- 著作隣接権とは
著作権法による著作物(詩・小説、音楽、美術、映画など)を、公衆に伝達する役割を果たしている実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に与えられた権利を総称して著作隣接権といいます。
また、「実演家」とは、著作物を演じ、歌い、踊り、語るという「表現行為」を行う人々です。 音楽の分野では、演奏家、歌手、指揮者等がこれにあたります。
著作物が著作権法によって保護されているように、実演家の「表現行為」も著作権法によって保護されます。こうした権利を総称して「実演家の著作隣接権」と呼んでおり、その保護期間は、実演が行われた日の属する年の翌年から起算して70年間です。著作権法上では、概ね第89条から第95条に規定されており、その内容は次の通りです。
- (1)
- 録音権・録画権
自分の実演を録音・録画することを許諾する権利(第91条第1項)
- (2)
- 放送権・有線放送権
自分の実演を放送・有線放送することを許諾する権利(第92条第1項)
- (3)
- 貸与権
商業用レコード(市販用のレコード・CD等)を貸与することを許諾する権利 (第95条の3第1、2項)
※ 商業用レコードの発売後1年間有効で、2年目以降は(7)へ移行
- (4)
- 送信可能化権
インターネットなどのネットワーク上に、実演をダウンロード可能な状態に置くことを許諾する権利(第92条の2)
- (5)
- 私的録音・録画補償金の支払いを受ける権利
私的に実演の録音・録画を行うユーザーが支払う補償金を受ける権利(第30条)
- (6)
- 商業用レコード二次使用料の支払いを受ける権利
商業用レコードを放送や有線放送で使用した放送事業者等が支払う二次使用料を受ける権利(第95条第1項)
- (7)
- 貸与報酬
商業用レコードの貸与を行う事業者が支払う貸与報酬を受ける権利(第95条の3第3項)
※ (3)の貸与権消滅後から69年間
- (8)
- 実演家人格権-氏名表示権
実演家が演奏を行う際や、実演が収録されたCDが販売される際に、自分の名前(本名または芸名のいずれか)を実演家名として表示することができる権利、また実演家名を表示しないこととする権利(第90条の2)
ただし、使用料や報酬を伴うものではない。
- 実演家には、上記の権利等に基づく使用料(報酬)等が支払われます。主なものは次のとおりです。
- (1)
- 貸レコード使用料
CDレンタル店で貸出されたレコード・CD等の使用料。
- (2)
- 商業用レコード二次使用料
放送局等がレコード・CD等を放送番組等に使用する場合の使用料。
- (3)
- 録音権使用料
放送局等がレコード・CD等を放送番組等に使用するため、一時的に録音する場合の使用料。
- (4)
- 私的録音・録画補償金
私的使用を目的として、デジタル方式の録音・録画機器により、デジタル方式の録音・録画用の記録媒体に「録音」を行うユーザーが負担しなければならない補償金。現在、DAT、DCC、MD、CD-R、CD-RW、DVCR、D-VHS、MVdisc、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、Blue-rayの機器と、それらに使用される記録媒体が補償金の対象に指定されており、それらを製造、輸入する事業者が、それらの価格に上乗せする形でユーザーから徴収している。パソコンが補償金の対象となっていないにも拘らず、いまやパソコンを使用したデジタル方式の録音、録画がごく一般的に行われているなど、時代の実態にそぐわないことが明確化していることから、現在、文部科学省・文化審議会で見直しの議論が行われてきている。なお、私的録音補償金、私的録画補償金に関わる業務は、文化庁の指定を受けた、一般社団法人私的録音補償金管理協会(sarah)と、一般社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)がそれぞれ行っていたが、SARVHは2015年3月解散。その後2022年10月に、13年ぶりに新たな私的録画補償金の対象機器としてブルーレイレコーダーが指定されたことから、sarahが改組して私的録音録画補償金管理協会となり、録音補償金に加えて録画補償金の徴収分配も行うこととなった。
著作隣接権等使用料(報酬)の分配の流れ
著作隣接権等の使用料(報酬)は、文化庁長官の指定を受けた公益社団法人日本芸能実演家団体協議会内に設置した実演家著作隣接権センター(CPRA/クプラ)と一般社団法人映像コンテンツ権利処理機構(aRma/アルマ)が、放送局やCDレンタル店等から使用料等を徴収し、演奏家、歌手、俳優、舞踊家、演芸家等それぞれが権利を委任している団体(分配業務を行っている団体)を経由して分配を行います。
演奏家への分配については、1999年10月に演奏家団体8団体(現在6団体)により設立された一般社団法人MPN(旧・一般社団法人演奏家権利処理合同機構MPN)を通じて、使用料(報酬)の分配が行われています。
使用料(報酬)の分配を受けるためには、MPNとの管理委託契約が必要です!
実演家自ら参加している作品が、放送等で使用された場合、あるいはレンタル店で貸し出された場合など、あなたは著作隣接権等の使用料の分配を受ける権利者となり得ます。
次に、この権利の行使をするためには、分配業務を行っている団体に権利を委任していただく必要があります。分配業務を行っている団体の1つがMPNで、MPNに権利を委任していただく場合は、分配等について委託者(実演家)と受託者(MPN)の関係を明らかにするために『管理委託契約』を結ぶ必要があります。
MPNは、『管理委託契約』を締結していない権利者に、CPRA等が徴収する各種の使用料(報酬)等を分配することができません。そのため、管理委託契約を締結していない権利者は、分配の機会が失われる危惧もあります。
MPNとの管理委託契約希望の場合は、MPNホームページ(https://www.mpn.or.jp)の右下の「会員になる」ボタンをクリックし、「契約手続きのご案内」ページ下部の「契約希望フォームへ」からお申込みいただくか、MPN事務局へお電話(03-5772-4483)でお申込みください。
次に、この権利の行使をするためには、分配業務を行っている団体に権利を委任していただく必要があります。分配業務を行っている団体の1つがMPNで、MPNに権利を委任していただく場合は、分配等について委託者(実演家)と受託者(MPN)の関係を明らかにするために『管理委託契約』を結ぶ必要があります。
MPNは、『管理委託契約』を締結していない権利者に、CPRA等が徴収する各種の使用料(報酬)等を分配することができません。そのため、管理委託契約を締結していない権利者は、分配の機会が失われる危惧もあります。
MPNとの管理委託契約希望の場合は、MPNホームページ(https://www.mpn.or.jp)の右下の「会員になる」ボタンをクリックし、「契約手続きのご案内」ページ下部の「契約希望フォームへ」からお申込みいただくか、MPN事務局へお電話(03-5772-4483)でお申込みください。
『管理委託契約』が完了した場合は・・・・・
MPNは、『管理委託契約書』を受領しCPRAへの登録が完了次第、MPNの押印をした同契約書控及びCPRAの発行するコード(権利者コード)を記載した「会員証」をお送りいたします。
『管理委託契約書』に記載された個人情報については厳格に管理され、事前のご承諾なく権利処理以外の目的に使用されることはありません。
『管理委託契約書』に記載された個人情報については厳格に管理され、事前のご承諾なく権利処理以外の目的に使用されることはありません。
著作隣接権についてのお問合先
公益社団法人日本演奏連盟
〒105-0004 東京都港区新橋3-1-10 石井ビル6F
TEL 03-3539-5131 FAX 03-3539-5132
http://www.jfm.or.jp
一般社団法人MPN(旧・一般社団法人演奏家権利処理合同機構MPN)
〒107-0061 東京都港区北青山2-10-29 日昭第2ビル2F
TEL 03-5772-4483 FAX 03-5772-4482
https://www.mpn.or.jp
芸団協・実演家著作隣接権センター(CPRA) Center for Performers' Rights Administration
〒163-1466 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー11F
TEL 03-3379-3574 FAX 03-3379-3589
https://www.cpra.jp